- 種族: ヒューマン(リッチ)
- 性別: 男性
- 地位: フリーポートの覇王
- 年齢: 不死
- 婚姻暦: 妻と死別
ルーカン・ドレール卿はフリーポートの邪悪な暴君である。デスカネル城(Dethknell Citadel、弔鐘の城)と呼ばれる空中要塞からフリーポートを、鉄の拳と不屈の意思で支配している。その生い立ちや背景は謎と噂に包まれている。彼の話をした者はまもなく、人々の前から姿を消してしまうという。ある人は、ルーカンは不吉な漆黒の鎧に身を包んでいると言う。またある人は、この世ならざる場所から配下に命令を下しにやってくるのだ、と言う。しかし真実は明らかとはなっていない。
ルーカンは、あらゆる戦をくぐり抜けてきた歴戦の将軍である。顔に刻まれた深い傷が、彼の実年齢を示している。極めてカリスマ高い彼の足取りは確かで力強く、その声は豊かに響き渡る。彼の流麗で自信に溢れる演説は、聴衆を虜とするのだ。ルーカンが唯一つ目指すのは、自らの力を拡大することだけだ。そのためには、自分が人々にとって必要不可欠であることを示さなければならないと信じている。そして実際、人々は彼の影響を免れることはできない。そのように仕向けたのもルーカン自身であり、その支配を様々な種族からなる住民へと広げるため、フリーポートを己が領域として築き上げたのだった。
演説の中で彼はよく歴史を書き換える。フリーポートに勝利をもたらした伝説の戦いや歴史的な出来事において、彼自身が鍵を握る人物だったと伝えるのだ。王国の安泰と人々の繁栄は、ルーカンの統治からのみ約束されると、繰り返し演説するのである。
殆どのヒューマンの独裁者とは異なり、ルーカンは人々に愛される必要はない。崇拝と完全な服従を求めているからだ。愛情や許容の感情などは消えて久しい。ルーカンは、人々の愛国心や物欲、そして恐怖を煽る。前向きの感情をかき立てることは決してない。人々の力を、自らの目的に利用することにしか目を向けていない。民の努力を称えることもするが、彼の支配によってのみ身の安全が約束されてきたとして、常に人々の負担を強いるのだ。
殆どの宗教に寛容なルーカンだが、機あらば古の神々をないがしろにしようとする。神々が姿を現さないことを利用し、神など実在せず力も何も持たない、と述べて見せる。そして崇拝の対象としかならないものではなく、それ以上の価値あるもの、真の神として自身を描写することに、何一つ躊躇することはない。
同様にルーカンは、機会ある度にケイノスとその統治者アントニア・ベイルを中傷し貶めようとする。弱く無能で堕落した統治者として、しばしばベイル家の下劣な歴史と共に語るのだ。宣戦布告には至っていないが、彼の狙いはケイノスを経済的にも政治的にも破壊し、彼の支配下に治めることにある。しかし、必要とあれば軍事行使も視野に入れている。
ルーカンは虚構の言葉に真実を巧みに織り交ぜ、偽りをもっともらしく見せ、民を自らの意思に縛りつけようとする。ルーカンが何の企図もなく口を開くことはない。恐怖を通して忠誠を吹き込む彼が、弱みを見せることは決してない。しかし、群集の心を捉え彼を容赦ない無比の支配者と仕立て上げているのは、強硬で執拗な発言そのものである。演説を引き立てるためにしばしば登場する、彼の良く使う言葉がある。「結束こそ力、ルーカンの元に結束せよ!」
発言[]
「力を渇望せよ。地上の秘宝と秘術を己が物とし、恐怖に陶酔し、弱きを崇拝するものの血を飲み干すのだ。光を挫き、闇の主となれ。心を冷たい黒曜石として。 ノーラスは美しくも地に堕ちた。新生の時が迫っている。血を求め力を振るうのだ。混沌が世界を焼き焦がせば、その灰から、無情な、卓越した、唯一の指導者が立ち現れるであろう。」
「未完のノーラスには希望や愛など無用。慈悲と哀れみの末もたらされたこの灰の世界を見よ。情をうち捨て鉄槌を振るえ。そしてノーラスを鉄の世界に鍛え上げるのだ!」
「過去は過去に過ぎず。伝統など意味をなさぬ。この新たな時代は、我らにより闇に包まれるのだ。いつの時代にも現れなかったほどの闇に。手を翳せば光は遮られる。そして我らの凍てつく闇の中、死に絶えるのだ。」
追加ロア[]
- グレーター・フェイダークのSir Bayden Cauldthornは、ルーカン・ドレールがマーを裏切り、闇の道に走った出来事に触れている。
クレジット[]
- 原文:SOE公式ページ
- 翻訳:EQI